人物百景 第19話目は、妙蓮寺発のグラノーラ『MARUGRA』オーナーの高橋さんに、開発のきっかけや商品に込められた想いなどを伺いました!
※今回は「商品が私たちの企業イメージなので」ということで、高橋さんの代わりにマスコットのジョイくんが表紙です!🐿
MARUGRA
Instagram https://www.instagram.com/marugra_/
グラノーラ作りのきっかけ
酒井:「そもそもどうして、グラノーラを作ろうと思ったんですか?」
「元々ナッツやフルーツが入っているグラノーラが大好きったんです。
OL時代、雑貨や化粧品の商品開発のお仕事をしていたんですが、その時も引出しの中にはグラノーラを常備していて、お昼はヨーグルトをかけて食べたりしていました。
出産をしてからパッと食べられて栄養のあるものが食べたいなぁと思っていたのと、子供にもなるべく身体にいいものをあげたいなぁと思ったのがきっかけで作り始めました」
酒井:「出産を機に食を見直す方も多いですよね、最初は自宅でグラノーラを作られていましたね」
「3~4年前にお家で作り始めて、家族や友人におすそ分けしていました。
その時の体調や気分に合わせてナッツやフルーツを変えてみたり。本当に趣味で。
そうしているうちにサロンのお客様にもプレゼントしたい!毎月買いたい!といわれ始めました」
「オーガニックというと、地味であまり美味しくないイメージがありますけど、友人から
『美味しくて身体に良いものがあるんだ!』と言ってもらえたのは嬉しかったです」
本格的に事業化へ
酒井:「事業化をする時に、一度松栄に相談に来てくれたんですよね」
「そうです、まだ起ち上げたともいえない状況で『今後どうしたら良いですか?』という相談の状態でした。事業化するために菓子製造許可が取れる物件を借りたいと思っていましたが、酒井さんから
『専用キッチンを作るには多額の資金が必要だから、まだやめておいた方がいいですよ』
と止められたのを覚えています(笑)」
酒井:「スミマセンでした(笑)でも菓子製造許可キッチンはつくるのに最低500万かかるので、もう少し先が見えてからの方が良いと思ったんです。でもその後、まずシェアキッチンで製造を始められて、スモールスタートでビジネスを起ち上げられたんですよね」
「そうですね、それが2年目くらいです」
酒井:「そこから一気にクチコミで広がって、スタッフさんも加わっていった感じですか?」
「はい、一番最初は子供がきっかけで出会うことのできた友人に、
”こういうことをやりたいんだけど手伝ってくれるかなぁ?”とお願いしました。
見様見真似で、こうしたらどう?どんなイメージ?と共有しながら、製造以外の全ての仕事を一つ一つ一緒にやっていきました。
デザインは中学時代の友人がやってくれたり、オンラインショップも友人が手伝ってくれました。
その後ビジネス面のサポートもしてくれるメンバーを始め、一人一人大切な仲間が増えてきて今日があります。
みんな、私がアワアワしているのを見兼ねて、ちょっと手伝うよ~という優しさと、マルグラが大好きで集まってきてくれたメンバーです。
私はグラノーラを考えたり作ったりすることが大好きなオタクなので、それ以外はチームのみんなが支えてくれています」
酒井:「Instagramでの販売はどのよう広がったのでしょうか??新規受付をストップする程の人気になるまで、あっという間でしたよね」
「購入してくださったお客様や友人が、インスタグラムに載せてくれて、徐々にクチコミで広まっていった感じです。
その後、東急さん×無印さん×松栄さんの「くらしサポートマーケット」等のイベントを通じて様々な方に知って頂けたのも、大きなポイントだったと思います。
イベント時も、Instaを見てくださっているお客様のおかげで、1時間ほどで完売しました」
悩みに寄り添うグラノーラ
酒井:「人気の秘密は何だと思いますか??」
「ごろっとかたまりの形状は大きなポイントだと思います。
色々作ってみたのですが、一般的な粒の形状だと、子供が食べた時に全部床に落としてしまって、掃除が毎回すっごく大変で(笑)いろいろ試して、食べやすい今の形状にたどり着きました。
酒井:「『悩みに寄り添うグラノーラ』という言葉があると思うのですが、これはどういうことですか?」
「作り始めたのが産後で、初めての子育てで、自分のご飯を作る時間もない疲れている日々で、手軽に栄養を摂れるものがほしいと思ったんです。
同年代の友人たちも育児、仕事で忙しく、中々自分のことは後回しになっていて。
貧血や、便秘、PMS、疲労いろんな悩みを抱えながらも頑張っている女性に寄り添いたいなぁと思い、お悩みに寄り添える食材を取り入れています
一般的なグラノーラはチョコ味やフルーツが入っているものなどが多いと思うのですが、
マルグラは美味しいだけではなく、美味しいのはもちろん、自分たちも現在進行形で経験している女性のお困りごとの手助けになるものを、と思っています」
こだわりの原材料と生産者さん支援
酒井:「原材料の仕入れなどはどうされているんですか?」
「米粉は北海道の『はなうた農園』という契約農家さんから仕入れたり、原材料は厳選しています。
はなうた農園さんは昨年、初めて現地に行けたんですが、70年間自然農をやっていたところを引き継いでいらっしゃるんです。
田園風景って綺麗に整備されたイメージがあるのですが、はなうたさんは自然農で、植物たちに全て任せているので、どれが雑草で、どれが稲かわからないくらいなんです。
でも、絶滅危惧種のタンチョウが遊びに来るくらい、環境が豊かなんです」
MARUGRAは第二の柱として『生産者さんと一緒に成長していきたい』という想いがあるので、原材料選びも、志のある農家さん、企業さんと一緒にお仕事をするようにしています。
酒井:「同じ方向を向いてくださる生産者さん、協力業者さんがいないと、事業を続けるのは難しいですよね…」
「はい、三方良しを大切にしています。あとオーガニックや有機を扱う会社は、利益に繋がりにくく、継続が難しいと言われているので、そこをどうにか変えていきたいんです」
酒井:「そこまで考えて事業を行っていると、追い風を吹かせてくれる方たちとのご縁もできますよね」
「はい、その点でもマルグラは本当にお客様に恵まれていると思います。
私たちの価値観を理解、共有、応援してくださって、毎月購入してくださるお客様たちがいるからこそ、お作りできています。
そして私たちが原材料を仕入れ続けることで、はなうた農園さんや他のお付き合いのある生産者さんたちの応援ができれば、結果子どもたちの未来や地球にとっても良いことなのかなぁと思っています。
そういう循環がこれからも色んなところで生まれるといいなと思ってます」
酒井:「お客様からマルグラさん、そして生産者さんから地球へと、良い影響が循環しているんですね!」
酒井:「昔からそんなタイプでしたか?」
「はい… 会社員時代から、自分の想いがないと商品開発出来ないタイプでした(笑)
『誰かの悩みがこの商品で解決できるのか』というところに落とし込めないと、ダメで…
会社では少し浮いていました(笑)」
酒井:「すごくわかります(笑)でも普通の会社は、まず数字を求められますからね…
人気店のオーナーさんとお話しさせていただくと、皆さん共通しているのが、強い想いを持って事業を運営されているんですよね。
お客様が沢山来てくれていても、クオリティを守るために、急激には生産を増やせなかったり、原材料が値上がりしても、なるべく企業努力で吸収しようとしたり、皆さん本当に正直な商売をしてて… そういう誠実さはお客様にも伝わるのかなと」
「私たちも生産量を急激に増やすことが目的ではないので、このMARUGRAの背景というか、ストーリーをとても大切にしています。
そして自分がやりたいことで、今はお客様のお役に立てている実感があるので、本当にうれしいです」
〜後編に続く〜
後編は、全国から美味しいものが集まる六本木の『グランドフードホール』で販売した時のお話です!お楽しみに〜